本日のタイトルは「自筆証書遺言の方式の緩和」というテーマですが、これは手で書く遺言書についてルールが変わり,遺言が残しやすくなったということです。

 今までは遺言は「全文」「日付」「氏名」の自署と押印が求められておりました。これは筆跡によって遺言者本人が書いたものであることを保障するためです。
 
 ただ、これだと,手で全部書くのでとても大変でした。

 そこで、遺言書に添付する財産目録についてはパソコンで作成して印刷することや不動産につき登記事項証明書,預金につき預金通帳の写しを添付する方法が認められることとなります。要は手で書かないといけない範囲が減らせることとなりました。

 高齢になってくると文字をたくさん書くことはとても辛い作業です。私も遺産分割協議書などで高齢の依頼者にたくさんの書類にサインをしてもらうことはとても苦々しく感じることも多く、一定の要件のもとで代理人が金融機関所定の書類にサインする形で対応してもらう事もありました。このような経験からは手書きの部分を減らしてくれるという改正はとてもありがたいことかなと感じております。

 「私の家は財産がないから」「私の家はもめないから」と言われて遺言は自分には関係無いという方は多くみられますが、私は基本的には遺言は書いておいたほうがいいケースが多いと思っています。職業柄,適切な遺言が残されていれば、長い時間と費用とをかけて交渉や調停を行わなくてもよかったと思える事例を経験しています。また、遺産が少なくても遺言の必要なケースもあるし、遺産分割で弁護士が受ける事件ももめている事件ばかりではありません。

 ですので、今回の改正を機に多くの方に遺言に関心を持っていただけると幸いかなと思っております。ちなみに、遺言を実際に残される場合は専門家のアドバイスを受けるか,参考書などをよく見て残されるようにしてください。本ブログでは細かいルールに関する説明は省いておりますのでご注意ください。