深川総合法律事務所

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2014年02月

前回の遺言に関するお話の続きになります。

公正証書遺言とは,公証人の前で,遺言の内容を伝えて,公証人がその内容を文書にまとめて作成する遺言の事を言います。

 公証人は,裁判官や検察官などを務めた法律実務家が任命される事が多く,その公証人が遺言者の意思を確かめながら作成するというもので,一般的に信頼性が高いと考えられています。また,公正証書遺言の原本が必ず公証役場に保管されますので,遺言書が破棄されたり,隠匿や改ざんをされたりする心配も全くありません。つまり,遺言書を巡るトラブルを防止しやすいものだと言えます。

 また,通常の遺言を実行するためには家庭裁判所で検認(遺言を開封する)手続を経る必要がありますが,これが不要となります。相続開始後,速やかに遺言の内容を実現することができます。この遺言の検認をしなければ遺言に基づいて金融機関等での手続きが行えません。しかし,公正証書遺言の場合には検認手続きが不要となります。この点は実務的には大きなメリットではないかと思います。

 一方でデメリットとしては,費用(数万円程度である事が多い。)がかかる事や証人が二人必要というものです。

 個人的には,後日の紛争防止や遺言によって財産を譲り受ける人が円滑に譲り受けられるようにするために公正証書遺言をされる事はおすすめしています。

 話が全体的に固い感じになったかもしれませんが,詳しいことを知りたい方は是非,法律相談等をご利用くださいませ。

今日は,知っておくと役に立つ法律知識を紹介したいと思います。

実際に事件対応や法律相談をしていく中でも時々見かけるのは,
書いてあっても,実際には使えない自筆証書遺言(全文を自分の手で書く遺言)というものです。

時々ある誤解は「名前だけ自筆ならいいんでしょ?」というもの。

しかし,これじゃだめなんです。自筆証書遺言として有効といえるためには,「遺言者がその全文、日付及び氏名を自署し、これに印を押さなければならない」んです。このうちの一つでも自筆じゃなければだめなんです。実際に,これが原因で遺言者の意思が尊重できない事例もあったりしました。

自筆証書遺言は,遺言者が単独で,いつでも,どこでも容易に作成することが出来ます。しかし,その一方で,方式の不備も生じやすく紛失、隠蔽等も行われやすいなど,後日のトラブルを生じさせやすいともいわれています。また,遺言の検認(相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに,遺言書の形状,加除訂正の状態,日付,署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にして遺言書の偽造・変造を防止するための手続)も必要だったりします。

そのため,後日の紛争を防止するという観点や遺言の検認を得なくて良いという観点からは,公正証書遺言とするのもメリットがあるなと思っています。

 じゃあ,公正証書遺言とは何ぞやとなりますが,これについては,また次回という事で。

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