深川総合法律事務所

 2014年1月から現在に至るまで深川で仕事をしている弁護士のブログです。深川をはじめとして妹背牛,秩父別,雨竜,北竜、沼田,幌加内の方からご相談・ご依頼を受けることが多いですが,旭川・滝川・砂川・美唄・留萌など色々な地域のからの相談を受けています。相談が多い分野は相続,交通事故,高齢者に関する相談(成年後見等含む。)が多いですが,様々な相談を受けております。詳細はhttps://fukagawa-lo.com/をごらん下さい。  

2025年07月


後継者に株を残したい経営者へ。“遺留分特例”という選択肢


相続と事業承継がぶつかるとき、何が起きるか?

経営者の方にとって、「会社を誰に継がせるか」は非常に大きな問題です。

「長男に株をすべて継がせたい」「他の相続人にも平等に…でも会社は守りたい」――そんな想いの狭間で、実は多くの方が悩まれています。

相続では「遺留分」という権利があり、たとえ遺言で後継者に株式を集中させても、他の相続人から請求されると揉めてしまうことがあります。


そもそも「遺留分」とは?

遺留分とは、民法で定められた「相続人が最低限受け取れる取り分」のことです。

たとえば配偶者や子には、法定相続分のうち半分までの権利(遺留分)が保障されています。

つまり、「後継者にすべての株を渡したい」と思っても、他の相続人が「自分の遺留分を侵害された」として請求すれば、株の分散や金銭トラブルが生じかねないのです。


「遺留分に関する特例(遺留分に関する合意)」とは?

こうしたトラブルを未然に防ぐため、経営者のための特別な制度が用意されています。

それが「遺留分に関する民法の特例(合意制度)」です。

この制度では、あらかじめ相続人全員と合意を交わすことで、「遺留分を請求しない」旨を取り決めることができます。

合意は経済産業大臣の確認及び家庭裁判所の許可を受ける必要があります。

事前に合意を結ぶことで、後継者に株式を安心して渡せるようになり、会社の経営も安定させることができます。


どんなケースで有効?

  • 長男に会社を継がせたいが、他の子どもたちと揉めたくない

  • 事業用資産が中心で、現金や不動産など代替できる財産が少ない

  • 早めに承継準備を進めておきたいが、遺留分がネックになっている

こうしたケースでは、遺留分の放棄合意をあらかじめ得ることが、将来のトラブル回避につながります。


注意点と実務の流れ

  • 合意は、相続が発生する前でなければできません。

  • 相続人全員の同意が必要で、一人でも反対すると成立しません

  • 個人事業主の場合には経営革新等支援機関(税理士,公認会計士,弁護士など)の関与も必要です

いったん合意した内容は簡単に変更できないため、専門家としっかり話し合いながら進めることが大切です。


会社の未来を守るのは、社長自身の決断

相続と事業承継は、感情と権利が交差する繊細な問題です。

だからこそ、使える制度を知り、事前に準備することが家族・社員・会社を守る第一歩になります。

「遺留分が心配」「後継者に株を集中させたい」とお考えの方は、ぜひ一度、専門家にご相談ください。

早めの行動が、会社の未来につながります。


こんにちは。

深川総合法律事務所です。


夏休みは、家族が集まりやすく、普段できない大切な話をする良いタイミングです。

今回は、将来トラブルにならないために「今のうちに家族で話しておきたい相続のこと」についてご紹介します。



夏休みに話しておきたい「相続」のこと

夏休みは家族が集まりやすい時期です。普段なかなか顔を合わせられない親や兄弟とゆっくり過ごすこのタイミングで、「相続」について話してみませんか?

なぜ夏休みが“相続の話”に向いているの?

相続の話は、誰にとってもデリケートなもの。ふだんの生活の中ではなかなか切り出しづらい話題ですが、家族がリラックスして集まる夏休みなら、少し踏み込んだ話も自然にできるかもしれません。

「自分がいなくなったとき、家族が困らないようにしておきたい」と考えている親世代も多くいます。この時期をきっかけに、将来に備える第一歩を踏み出すのも良いでしょう。

相続でもめる家族、もめない家族の違い

相続トラブルの多くは、「話し合い不足」や「準備不足」から生まれます。遺言書がなかったり、財産の全体像がわからなかったりすると、残された家族の間で誤解や不信感が生まれやすくなります。

逆に、家族であらかじめ話し合いができている場合は、相続手続きもスムーズに進み、気持ちの整理もしやすくなります。

夏の帰省で話しておきたい3つのポイント

では、具体的にどんな話をしておくと良いのでしょうか?ポイントは次の3つです。

  1. 財産の全体像を共有する
     不動産、預貯金、有価証券など、「何がどこにあるか」を家族に伝えておくと安心です。

  2. 遺言書があるかどうか
     遺言書の有無と、その内容について話すことは、トラブル防止に大きく役立ちます。

  3. 本人の希望を聞く
     「誰に何をどう渡したいか」「何を大切にしているか」など、本人の思いを共有することが何より大切です。

いきなり相続の話を切り出すのが不安なときは?

突然「相続の話をしよう」と言うと、重く感じられるかもしれません。そんなときは、「エンディングノートを見たんだけど、書いてる?」とか、「最近、相続のことがニュースで話題になってたよね」といった軽い話題から入るのがおすすめです。

無理に話をまとめようとせず、「少し話せたら十分」くらいの気持ちで臨みましょう。

専門家に相談することで家族の安心につながります

話し合いをしても「どう分ければいいかわからない」「不公平にならないか不安」という場合もあるでしょう。そんなときは、弁護士などの専門家に相談することで、第三者の立場から公平なアドバイスが受けられます。

「まだ早い」と思っている今だからこそ、落ち着いて準備ができます。ぜひ今年の夏は、大切な人と「相続」について話す時間をとってみてください。


相続の準備は、早めに動くことで家族全員の安心につながります。
「まだ早いかな」と感じる今だからこそ、落ち着いて話せることもあります。

もし相続について不安なことがあれば、お気軽に当事務所までご相談ください。

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