後継者に株を残したい経営者へ。“遺留分特例”という選択肢
相続と事業承継がぶつかるとき、何が起きるか?
経営者の方にとって、「会社を誰に継がせるか」は非常に大きな問題です。
「長男に株をすべて継がせたい」「他の相続人にも平等に…でも会社は守りたい」――そんな想いの狭間で、実は多くの方が悩まれています。
相続では「遺留分」という権利があり、たとえ遺言で後継者に株式を集中させても、他の相続人から請求されると揉めてしまうことがあります。
そもそも「遺留分」とは?
遺留分とは、民法で定められた「相続人が最低限受け取れる取り分」のことです。
たとえば配偶者や子には、法定相続分のうち半分までの権利(遺留分)が保障されています。
つまり、「後継者にすべての株を渡したい」と思っても、他の相続人が「自分の遺留分を侵害された」として請求すれば、株の分散や金銭トラブルが生じかねないのです。
「遺留分に関する特例(遺留分に関する合意)」とは?
こうしたトラブルを未然に防ぐため、経営者のための特別な制度が用意されています。
それが「遺留分に関する民法の特例(合意制度)」です。
この制度では、あらかじめ相続人全員と合意を交わすことで、「遺留分を請求しない」旨を取り決めることができます。
合意は経済産業大臣の確認及び家庭裁判所の許可を受ける必要があります。
事前に合意を結ぶことで、後継者に株式を安心して渡せるようになり、会社の経営も安定させることができます。
どんなケースで有効?
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長男に会社を継がせたいが、他の子どもたちと揉めたくない
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事業用資産が中心で、現金や不動産など代替できる財産が少ない
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早めに承継準備を進めておきたいが、遺留分がネックになっている
こうしたケースでは、遺留分の放棄合意をあらかじめ得ることが、将来のトラブル回避につながります。
注意点と実務の流れ
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合意は、相続が発生する前でなければできません。
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相続人全員の同意が必要で、一人でも反対すると成立しません
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個人事業主の場合には経営革新等支援機関(税理士,公認会計士,弁護士など)の関与も必要です
いったん合意した内容は簡単に変更できないため、専門家としっかり話し合いながら進めることが大切です。
会社の未来を守るのは、社長自身の決断
相続と事業承継は、感情と権利が交差する繊細な問題です。
だからこそ、使える制度を知り、事前に準備することが家族・社員・会社を守る第一歩になります。
「遺留分が心配」「後継者に株を集中させたい」とお考えの方は、ぜひ一度、専門家にご相談ください。
早めの行動が、会社の未来につながります。
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